チーズをウォッシュする際に使われる原液には大きく分けて、真水・塩水・酒の3つがあります。
ウォッシュタイプの王様「エポワス」は洋酒の一つで、ブドウが原料のマールドブルゴーニュ(Marc de Bourgogne)が使われていますが、このエズィー・サンドレもエポワスと同じようにマールドブルゴーニュで表皮を磨かれた後、木灰をまぶして熟成されています。
木灰はブドウの木の蔓を使っており、エポワスとは似ていながらも、エズィーサンドレの個性がしっかり出ています。
真っ黒な見た目は少しびっくりしてしまいますが、驚くほど濃厚で親しみやすい味です。
AisyCendréはブルゴーニュ地方を起源とするチーズ。
その名前は地理的な起源であるエジーシュルアルマンソン(Aisy-sur-Armançon)の町(ブルゴーニュ地方・コートドール県)とその熟成方法に由来しています。マール・ド・ブルゴーニュで表皮を洗った後、独特の紫がかった灰色はブドウの蔓の灰で覆われます。
もともとは、修道士によって作られており、その後ブドウや穀物の収穫の時期に雇う労働者のために、1年のうちでミルクの搾乳量が一番多くて価格が一番安かった時期に作られるようになっていったそうです。歴史的にはピエ・ルージュ・ド・レスト(Pie rouge de l’Est)という赤い足が特徴の牛のミルクが使われていました。
マールドブルゴーニュで洗われた香り高いフルーティーさ、ホロっと崩れる表皮を破るとむちとろーっと溢れ出てくる濃厚なミルクはそのままに、木灰がまぶしてあることでさらに香ばしさやスモーキーさが増しています。
ぜひ最初は何ものせず、そのままスプーンで掬うか、薄いクラッカーにのせて味わってみてください。虜になること間違いなしです。
ワインは、若くむっちり、少しまだ芯があるときはブルゴーニュの樽感がしっかりある白、熟成が進みトロッとねっとりしてきたらブルゴーニュの赤とぜひ合わせてみてください。