フランスとスペインの両国にまたがった位置にあるバスク地方で作られている伝統的な羊乳を使用したブルビチーズ。ピレネー・アトランティック地方の唐辛子で有名なエスプレットという村の近くで作られています。Piment d'espelette(ピマン デスプレット)はフランス語でエスプレット唐辛子のことを表します。伝統的なエスプレット唐辛子と希少な羊の乳から作られるチーズは、エスプレット唐辛子のスパイシーな風味とバスク産羊のチーズの滑らかさのバランスが絶妙です。チーズ作りの過程で、直接エスプレット唐辛子のピューレを入れることで、オレンジのような赤みに出来上がり柔らかく繊細でしっかりとした食感のチーズになります。口の中では、フルーティーなアロマ風味の余韻を長く楽しんで頂けます。
純粋なピレネー産の羊から牛一頭と同量のミルクを得るためには、雌羊22匹が必要と言われており、ピレネー産の羊乳を使用したチーズは希少です。そのため昔、バスク地方の羊飼いたちは、搾乳後の凝り固まった羊のミルクが少しでも残っていると、家族の食事用にトメットサイズのチーズを作っていました。現在では、バスク地方の伝統的なチーズとなっています。ちなみに、トメットというのは南仏では一般的にフローリングタイルとして使用されている赤茶色の六角形のテラコッタタイルです。小さなハチの巣のような形で、チーズの名前にTometteと付くと、それくらいのサイズのチーズを表しています。バスク地方で作られているエスプレット唐辛子は、日本の唐辛子のおよそ20分の1程の辛さで、まろやかな辛さのため、チーズやお菓子作りに用いられることもあります。料理にはアクセントとしてエスプレット唐辛子を加えることで丁度良いピリッとした辛さを与えることができ、バスク料理にはかかせない存在となっています。
ブルビチーズのクリーミーさとほのかなエスプレット唐辛子のスパイシーさのあるチーズには、モルトのコクやホップの香りが華やかなペールエールのビールや辛口白ワインを合わせると、ほのかなスパイシーさを引き立ててくれます。バスク地方で有名な黒サクランボジャムをチーズにのせて食べるとバスクへ旅行した気分を味わってい頂けます♪