クリーミーで味の濃いノルマンディー種の牛乳から作られる、まろやかなチーズ、ヌシャテル。ハート型が可愛らしく有名なヌシャテルですが、正方形、円筒形、マッチ箱のような長方形など様々な形があります。
白カビに覆われた表面を噛むと、爽やかさの中にも酸味や塩気がしっかりきいた味。熟成が進むと、白い表面に赤茶っぽい斑点が見え始め、やわらかさやとろける感がアップします。
今ではカマンベールも非常に有名ですが、ノルマンディー地方のチーズとして一番古いのはヌシャテルと言われており、最初に書物に登場したのは1035年。
有名なハート形のヌシャテルが作られるようになった背景には、切ないラブストーリーがありました。仏英の国境に位置するノルマンディー地方は文化が混じり合うと共に、占領が絶えない地域でした。フランスとイギリスによる百年戦争の時代、ヌシャテル村の酪農家の娘が占領軍であるイギリス兵と恋に落ちてしまいます。気持ちを託そうとハート型のチーズを作って彼に送ったのが始まりだという伝説が残っっています。
同じノルマンディー地方のりんごのお酒、シードルに合わせたり、プレートにするならりんごや洋ナシなど甘味と酸味のあるフルーツと一緒に食べるのがおすすめ。
サラダにするなら、細長く切って、その上にクルミや蜂蜜を乗せた上で、野菜や葉物の上にのせるのがおすすめ。同じ要領で蕎麦粉のガレットにりんごと乗せて甘じょっぱさを楽しむのもいいですね!