フランスのオーベルニュ=ローヌ=アルプスで中世時代以前から作られる歴史あるチーズ。
熟成状態によって顕著に出てくる特有の灰色の外皮は"poil de chat"(猫の毛)と呼ばれており、特定の熟成管理下で出てくるものです。
サンネクテールはチーズが形成された後、藁の上で熟成されます。現在は「Fermier(農家製)」と「Laitier(工場製)」があり、農家製には緑、工場製には赤のカゼインマークが付けられます。
フランスの国民的チーズで、ある調査ではフランスで3番目に多く消費されています。
サンネクテールは、もともとは女性だけが作る高級チーズで、ライ麦のわらの上で熟成されたため、中世時代「ライ麦チーズ」と呼ばれていました。
「サンネクテールのチーズ」という名前が登場したのは1651年から1670年のことです。
ルイ14世の宮廷でも出されたサン・ネクテールは、ヘーゼルナッツとミルキーな美味しさが大変好評を呼び、有名になりました。1955年にAOCに登録されて以降、サンネクテールの生産量は急激に増加し、1970年には9千万リットルものミルクから作られていました。
灰色のカビで覆われた見た目は少しびっくりしてしまいますが、外皮も一緒にお召し上がりいただけます。
味わいはとってもミルキーで、ナッツのような香ばしさと干し草のような香りが広がり、アイボリー色のモチっとした弾力のある生地を噛むと優しいミルクの甘さが感じられます。
フランスではサンドイッチに使われる定番チーズ。そのほか、焼いて溶かして、変わり種ラクレットとしても楽しめます。