生産者のマルコ・ギュイリアーニ、ダヴィデ・ジェンティエは幼い頃からの親友.
今はまだ二人ともサイドビジネスで自分たちが好きな自然派ワインを醸造しています。
2人とも醸造学校には通わず、色々な本を読んだり、周りの生産者に情報やコツを教えてもらい、初めてワインを造ったのが2010年。3キュヴェで始めた2人ですが、2016年には13キュヴェと常に研究熱心な生産者です。
醸造所内には、多くのタンクがあり圧倒されます(セメント・タンク 4つ。イタリア産アンフォラ 4つ。
ステンレス製タンクも複数!)
容量が足りない時はダム・ジャーヌ(ボンボン)も使用しますが、樽は一切使用しないそうです。
主な醸造は空気の通し、「ミクロ・オクシジェナション」が絶妙なセメント・タンクで行っているそうです。そして発酵の終わりと熟成は、キュベによりアンフォラかステンレス製タンクで、圧搾は全て小さなプレス機を手動で行っているのが特徴です。
彼らのワイン造りのモットーは「100%Uva e Basta」、つまり「100%ぶどう、それ以外何もない!」。
そんな彼らの作るワインは一切添加物を使用せず、フィルターもコラージュも行わず、もちろん自生酵母のみで発酵させています。
畑は醸造所から遠く、海の目の前にあります。標高は150m〜350mで土壌は主に粘土、砂質土壌に岩盤は石灰。全部で3haほどあります。
黒ぶどうはモンテプルチアーノ・ダブルッツォにカベルネを少し栽培しており、白はトレビアーノ・ダブルッツォ、ペコリーノ・ダブルッツォとマルヴァジア。樹齢は15年から40年ほどのブドウを栽培しています。
ここの畑の特徴は海の影響を受け、塩味と旨みの深いぶどうになるということです。
日当たりも良く、夏は温度が35度以上にもなりますが、湿気も多く、標高もあるため、酸味とフレッシュ感たっぷりなぶどうになります。
収穫は早めなので、アルコール度数が高いワインが多いアブルッツォ地方のワインにもかかわらず、
アルコール度数は12・13度を超すことはないのがこの2人のワイン。
4年前から醸造所近辺に畑ではない土地を徐々に買い取り、土をゼロから耕し、セレクション・マサルで新しい苗を植えはじめました。ヴィラ・チェリエラ村唯一のぶどう畑です。
ここでは有機栽培の実験を行っており、畑を放置したままでもぶどうが栽培できるかを実験し観察しているそうです。
植えたぶどうの木は驚くことに9割生き残っていますが、厳しい環境で未だにぶどうは収穫できていないそうです。
実験の結果を分析して、どの有機栽培のバランスがいいのかを研究している好奇心旺盛な若き彼らの挑戦をワインで感じてみてください。
ミシェラはイタリア語で「混ぜ物」という意味。そんな名前の通り、木苺、カシス、ラズベリー、ザクロなどたくさんの果実感を感じられます。じ わっと広がるタンニンがありながら、ドライな仕上がり。
とにかく簡単でふざけながら飲むワインという彼らのお茶目さが、エチケットにも現れています。
ナチュラルワインってこうだよねと言いたくなるようなワインです。